天理教のお葬式

先日、義父が82歳で亡くなりました。
数年前から前立腺がんを患っていました。
2年前の検診でお医者さんから、あと3か月と言われていたのですが、
その次の検診で、あと半年、になり
また次の検診で、あと1年、になり
とうとう最後に、わかりません、になりました。
その結果、身内からは死ぬ死ぬ詐欺だと言われて。。。
そんな義父も加齢とともに病状も少しずつ進行していたようです。
今月上旬から具合が悪くなり、訪問医の先生からあと10日~2週間と言われます。
そこから妻と義姉が24時間交代で付き添うことになりました。
(3年前に奥さんを亡くしてから、ずっと1人暮らし)
ところが、自分の娘たちが一緒にいるせいか、次第に元気になり、肉を食いたいと言い出すまでに。
その結果、またも死ぬ死ぬ詐欺だと。
とは言え結局は、お医者さんの見立ての通りの時期に、自宅で亡くなりました。
入院もせず、亡くなる2日前には私の妻と親子喧嘩もして、よい最後だったと思います。
さて、せっかくの機会ですので、天理教のお葬式について説明してみましょう。
お通夜、告別式、香典
天理教の場合、「お通夜」のことを「遷霊祭(せんれいさい)」または「みたまうつし」と言います。
「告別式」は同じです。
葬儀に持っていく香典の書き方は、「玉串料」です。
「御霊前」でも大丈夫です。
「御霊前」は仏教やキリスト教でも使えるオールマイティな言葉ですね。
「御仏前」はNGです。
ちなみに天理教の葬儀は、神道形式がベースになっているので、使用する言葉や道具も大部分がそれに倣っています。
遷霊祭(せんれいさい・みたまうつし)
お通夜にあたる「遷霊祭」は、ざっくり以下のような流れです。
1.祓い行事(はらいぎょうじ)
2.遷霊の儀(せんれいのぎ:みたまうつしのぎ)
3.玉串奉献(たまくしほうけん)
一つずつ簡単に説明していきますね。
1.祓い行事(はらいぎょうじ)
バサッバサッとするお祓いのことです。
使う道具を、大麻(おおぬさ)と言います。
祓いを始める前に「祓い給え、清め給え」という意味の祝詞(のりと)を読みます。
2.遷霊の儀(せんれいのぎ)
天理教では、位牌を使いません。
霊璽(れいじ)を使います。
遷霊の儀では、亡くなった方の枕元にこの霊璽を置いて、亡き霊に遷ってもらいます。
その間は室内の照明を消します。
照明が消えたら「ああ遷っている最中だな」と思ってください。
3.玉串奉献(たまくしほうけん)
玉串奉奠(たまくしほうてん)と言うこともあります。
仏教のご焼香にあたる部分です。
神道と同じく玉串を使います。
ネットで検索すると細かな作法が紹介されています。
時計まわりとか、二拝とか。
でも、その場に立つと、みなさん隣の人を見ようときょろきょろしてしまいます。
だから、最低限のポイントだけ押さえておいてください。
四拍手 → 一礼 → 四拍手
これだけ覚えていれば大丈夫です。
玉串の置き方は、覚えてなくても大丈夫。
前の人が置いた玉串があるので、それをまねればいいんです。
ところで、2年前には実父の葬儀がありました。
そのとき友人からこんなことを言われました。
「お悔みは言っちゃいけないんですよね」
えっ。。。
理由を聞くと、なんでも、天理教の葬儀について検索したら書いてあったそうです。
すみません。。。
気にしてません。。。
というか、そのルール、そのときはじめて知りました。
たぶん、言って大丈夫です。
ほとんどの天理教の人は気にしていませんから。
天理教の言葉
出直し
天理教は生まれ変わりを信じる教えです。
魂はこの世の中に、また生まれ直してくるという考え方から、死ぬことを「出直し」と呼んでいます。
身体を着物に例えて、古い着物をぬいで、新しい着物を着て出直してくるようなもの、と教えられています。
ほかにも、出直しも神様の働きによるもの、という教えもあります。
ですので、人の「出直し」は悲しいことだけれども、悪いことではないと受け止めるようにしています。
もしかしたら、このような教えから「お悔みは言っちゃいけない」って話になったのかもしれませんね。